脳が
どこかに・・・
今週の【JIJI】2020.12.18 〜 24
「ガースーです」にギョッ!
15年以上取材を続ける鈴木哲夫さんが首相に求める言葉
毎日新聞2020年12月19日 12時00分(最終更新 12月20日 09時44分)
菅首相の大ブーメラン
「偽証罪に問われる証人喚問を」民主政権を鋭く追及
毎日新聞2020年12月21日 12時00分(最終更新 12月22日 13時53分)
菅首相の呼び名、ガースーから「スガーリン」に?
自民議員のぼやきと苦笑のワケ
毎日新聞2020年12月24日 06時30分(最終更新 12月24日 06時30分)
今週、やたらに首相に関する記事が多かった。いや毎週、多い。けど、今週はとくに私の網(?)に引っかかる記事が多かった。
1本目は菅首相が、自己紹介で「ガースーです」と言った、と。
舞台は「ニコニコ動画」。画面には「おかえり」「ガースー」「かわいい」など、参加者からのコトバがリアルタイムで流れていた(らしい)。どうやら菅首相、そのコトバに応えてしまった。菅首相に言わせれば「ファンサービス」?
でもその場は「画面」だけでなく、その他大勢の視聴者がいた。当然、批判を浴びる。コロナでたいへんな時に、軽すぎる・・・。インタビューの聞き手であったジャーナリストの鈴木哲夫さんもギョッとしたという。「失礼ですけど、「それだけ?」とため口で突っ込んでしまいました。」
2本目は「ブーメラン」の話。時事芸人のプチ鹿島さんの登場だ。彼はいつも丹念に新聞記事(10紙?)やインターネット記事を読み込む。
今回は菅首相の、10年前のブログが取り上げられた。
民主党政権の時代。自民党は野党。当然、菅首相も野党だった。その野党時代の、菅首相のブログがおもしろい。たとえば当時の法務大臣(民主党)が地元の会合でこんなことを言った。「法務大臣は個別事案については答えを差し控える、法と根拠に基づいて適切にやっている、この二つだけ覚えておけば良い。この二つだけ言っておけば国会を乗り切れる」。そのまんま、今の菅首相。いや官房長官時代も含めて菅さんそのものじゃないか。
ところが菅さん、当時はその発言を「国民を冒涜(ぼうとく)する発言」だと、痛烈に批判していたのだ。まさに「ブーメラン」。その他にもたくさんある。「ブーメラン」。プチ鹿島さんが次々と見つけている。
3本目も菅首相。「ガースー」どころか、官僚たちの間では「スガーリン」と呼ばれている。旧ソ連の独裁者「スターリン」になぞらえて。
スターリンはかつて弾圧や粛清を繰り返し、共産主義下で独裁体制を築いた指導者で、「スターリン主義」という言葉も生まれた。
なぜ、今週になってこんな記事が出てきたか。続々と出てきたか。
見えない権力闘争が、就任3カ月でもう始まっている?
まるで旧日本軍?
「GoTo」撤退に失敗した政権の「病理」
毎日新聞2020年12月18日 12時05分(最終更新 12月18日 15時50分)
またまた政権の記事。今度は「GoTo」。記事では「GoToトラベル」の
一時停止を、まず「失敗」と位置づける。そのうえで「なぜ、ここまで感染が拡がるまで放置したのか」「なぜもっと早く撤退できなかったのか」と。
その「敗因」を、千葉商科大の田中信一郎准教授とともに解き明かす。
田中教授は「GoToトラベル」の敗因が「破滅的な敗北を招いた旧日本軍に共通している」と言う。記事は旧日本軍が敗北に突き進んだ歴史を、毎日新聞の当時の記事も交えて書き、現在のコロナ禍での日本政府と瓜二つだと結論づけた。説得力があった。
「気に入らない」連発
はやぶさ2チーム鍛えたJAXA宇宙研所長の厳しい指導
毎日新聞2020年12月20日 10時00分(最終更新 12月20日 10時00分)
いやあ、ほっとする。政権のイヤなところばかりを見せつけられると、「はやぶさ」の記事がどんなに癒やされることか・・・。
でも今回は厳しい。「はやぶさ2」のプロジェクトを、最終責任者として支える覚悟。ときには厳しいことも言う。たとえば「はやぶさ2」が、リュウグウに2度目の着陸を試みる際に、反対したのがJAXAの宇宙科学研究所長・国中均。彼は「はやぶさ2」に対していつも「気に入らない」と繰り返していた。
それは国中所長の高い要求と厳しい指導。その結果、「はやぶさ2」はミッションをことごとく成功させ、チームも成長した。
ヘイトスピーチに刑事罰
川崎市条例成立1年 スピード感欠くネット対応
毎日新聞2020年12月21日 東京夕刊
全国で初めて、ヘイトスピーチ(差別扇動表現)に対する刑事罰規定を盛り込んだ川崎市の条例は、成立から丸1年が経過した。
ただ、「条例に反発する団体の差別的街宣活動が依然、JR川崎駅前などで定期的に行われている」し、「先月から市内の公園などで在日コリアンを中傷する落書きが相次いでいる」という。
なんで? あの画期的な条例で、川崎は変わったんじゃないの?
米副大統領にハリス氏、指名の背景 女性人材、育つ土壌に
女性支援NPO理事・大崎麻子さん
毎日新聞2020年12月22日 東京夕刊
米国で史上初となる女性副大統領が年明けに誕生する。民主党の上院議員、カマラ・ハリス氏(56)だ。ハリス氏を米国のリーダー的立場に押し上げたものは何か。日本でも同じような女性は登場するのだろうか。女性の支援活動を行い、NPO「ジェンダーアクションプラットフォーム」の理事を務める大崎麻子さん(49)に聞いた。
ハリスさんは米国の次期・副大統領として感動的なスピーチをした。
「私は初めての女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。なぜなら今夜、これを見ているすべての小さな女の子たちが、この国は可能性のある国であると分かったからです」
ヒラリー・クリントンの、敗北後のスピーチ「ガラスの天井」も感動的だったが、ハリスさんは今回、ヒラリーさんのあとを継ぎ、ガラスの天井をこじ開けようとしているのか。
ひるがえって日本。安倍さんはかつて「女性活躍」を語っていたけれど。
貧困支援の現場「まるで野戦病院」
雨宮処凛さん「コロナで自助・共助限界」
毎日新聞2020年12月22日 10時00分(最終更新 12月22日 11時43分)
雨宮処凛さんは作家である。同時に「新型コロナ災害緊急アクション」で相談支援もしている。
コロナは災害です。ホームレスやホームレスになりかけている人は、自分が悪いわけではないのに「自助」と言われ続け、助けを求めるぐらいなら自殺した方がいいと思い込まされている。一方で「共助」は家族に丸投げです。クルド人コミュニティーや私たちの活動もそうです。共助は既にフル稼働していて限界です。
今こそ「公助」が必要なのに、なぜ公助のトップが「自助」と言うのでしょうか。コロナの影響で失業した人は7万人以上、休業している人は200万人近くいて、どんどん路上に出てきているのに、権力者たちは見ようともしていません。まずは貧困の実態調査をすべきではないでしょうか。
また、政権の話になった。首相やその周囲は現状をわかっているのだろうか。
任命拒否巡る国立大学長アンケ、6割超が回答せず
国の「顔色」うかがい沈黙
毎日新聞2020年12月23日 21時36分(最終更新 12月23日 22時22分)
政府による日本学術会議の会員任命拒否問題に絡み、全国の国立大学長86人を対象に毎日新聞がアンケートを実施したところ、6割超の53人が回答せず、回答した33人中22人が報道する際に匿名を希望した。
そうだよな。だれも、なにも、言えないんだよな。官僚も、学者も、マスコミも「言ったら干される」「飛ばされる」。かくして「こわもて」の首相は就任3カ月で見事に「裸の王様」になってしまった。